不動産投資を行う上で本当に地震保険は加入するべき!?

今回は”不動産投資を行う上で本当に地震保険に加入するべきなのか”ということについて少し見ていきましょう。

 

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不動産投資を行う上で本当に地震保険は加入するべき!?

地震保険にネガティブなイメージはあっても‥

地震保険は単体で加入することはできずに、必ず火災保険とセットで入る必要があります。地震保険の加入率は2014年全国平均で28.8%です。1994年に9.0%、2004年には18.5%で、年に1%程度ですが右肩上がりに増えています。特に2011年に東日本大震災が起きた翌年の調べでは2.3%の伸び率となり、今や宮城県での加入率は50%超えです。

 

2016年には熊本地震もあり、加入率はさらに伸びていくものと思われます。とは言っても未だに3割程度の加入率にとどまっているのは、地震保険に対するネガティブなイメージがあるからだと思います。

「東京で大地震が起きたら保険会社なんて潰れてしまって結局払われないじゃん!」

「全壊したって全額下りないのであれば意味がないでしょ」

「一つの建物に5000万円までしか掛けられないんでしょ」

こうしたイメージや大地震が直撃する確率の低さ、また保険料の高さもあって、加入に慎重になっているのではないでしょうか。ただ、2014年時点の予測では、熊本県益城町で「この先30年に震度6弱以上が起こる確率は0.1〜3%」でしたが、2016年の熊本地震により最大震度7を記録しました。

 

確率が数%でも実際にはそれ以上の規模の地震が起こるときには起こるのです。そして当然ですが起こったあとに「入っておけば」と思っても遅いのです。賃貸経営を事業とする経営者であるなら、あらゆるリスクに備えて私は地震保険に加入しておくことを強くオススメします。

東日本大震災でも地震保険は全額支払われた

地震保険に対してネガティブなイメージを持つ人がいるのだとしたら、その理由は地震保険というものについて正しく理解していないからだと思います。そもそも地震保険というのは、各保険会社が独自に設定しているものではなく、法律に基づいて、政府と民間が共同で運営している制度です。

 

代理店や保険会社が加入者からお金を一旦預かって、国が保険料を準備金として積み立てています。実際、地震保険に関しては代理店や保険会社の手数料はそれほど多くないそうです。地震保険の支払い上限額は、少し前まで7兆円と言われていたのが、今は11兆3000億円に増えています。ちなみに、あれだけ津波の被害を受けた東日本大震災であっても、地震保険に使われたのは約1兆2000億円と言われています。

 

ですから、いくら東京で大地震が起こったとしても支払い保険金総額が11兆円でも不足するとはちょっと考えられないのではないでしょうか?なお、その総額を超えたならば払われないということではなく、全契約者で分けて少し減額されるということです。

 

そして、これが大事なのですが地震保険とは「地震災害による被災者の生活の安定に寄与すること」が目的の保険なので、必ずしも家を建て直すことを第一の目的としているわけではありません。地震があって家に被害があると、いろいろな支援金が出ますがそれで家を建て直せるかというとそれほどの金額ではありませんよね。地震保険もまた平穏で安定的な日常生活に戻すために役立ててくださいというものなのです。

 

阪神淡路大震災や東日本大震災のときも、地震保険に加入している人の方が次の生活スタートが早かったと言われています。

地震保険は取り片付け費用と生活費に充てる!

確かに地震保険では、火災保険の建物価格の30%〜50%の範囲でしか契約できません。1億円の建物が全壊しても、最大で掛けていた場合でも5000万円しか支払われないということです。物件を建て直すための保険だと考えられていると、半分までしか保証されないなら無意味で割高だと思われるかもしれません。

 

しかし、実際に地震で建物が全壊するとどういうことになるかというと、まず取り片付け費用が発生します。これはマンションだとだいたい坪単価で5万〜8万円が相場だと言われていますが、地震保険金をまずそこに充てます。建物の建て替えについては、土地を担保にするとして、地震保険金を頭金にすることでローンも借りやすくもなるでしょう。

 

家賃収入は途絶えますが、建て替えて再稼働するまでは地震保険金を生活費に重墳することができます。このように、建て替えを期待すると必ずしも十分ではないですが、建て替えまでの取り片付け費用と無収入の間の生活が補償されると考えれば、心強いのではないでしょうか。

 

実際、建物価格の半分だけでも掛けられるのであれば、御の字だと思います。ローンが残っているなら、その残額分だけでも入っておくべきでしょう。地震が起きて物件が倒壊しても、負債を抱えなくても済むわけですからね。財務面での体力は人によって違うと思いますから、キャッシュをいっぱい持っている人は掛けなくてもいいという選択肢もあるかもしれません。

 

逆にお金を持っていない人ほどきちんと地震保険を掛けておかないとまずいのかなと思います。

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再調達価格130%で火災保険に入るという手段も!

地震保険についてさらに詳しく補足しておきます。地震保険は政府と民間が共同で運営している制度ですから、各保険会社が全く同じルールで保険料も同じで全く差はありません。ただ、そのルールが多少複雑だったり、分かりにくかったり、融通の効かないところがあるので注意が必要です。

 

よく誤解されていることに「地震保険は一つの建物につき5000万円までしか掛けられない」ということがあります。ただしこれは一般の住宅の場合で、集合住宅の場合は「戸数×5000万円」になります。しかし、例えば建物価格3億円で10部屋のマンション物件であれば、上限は5億円‥ということにはなりません!

 

確かに5000万円より高くは掛けられるのですが「建物価格の30%〜50%」という縛りがあります。ですので、正解は1億5000万円ということになるのです。全壊したときに心配なので、できる限りたくさん掛けたいということであれば、火災保険ともども130%で掛けておくことです。

 

再調達価格が3億円の物件であれば、火災保険に3億9000万円で入っておけば、地震保険は1億9500万円掛けられます。これなら全壊したときにも、半額ではなくほぼ3分の2の金額が下がります。その分全体の保険料は上がりますが、心配な方はそういう方法もあるということを知っておくと良いでしょう。

3段階の損害区分によって支払われる保険料が違う!

また、火災保険の場合は基本的に見積書などを添えて保険会社に申請した被害額がそのまま支払われますが、地震保険の場合は一部損、半損、全損という3段階での支払いになっています。(2017年1月に改定され4段階になります。)

 

一部損とは主要構造部分に3%以上20%未満の損害があったとき、5%が出ます。3%以上と認定されないと保険金がでないということです。建物価格が1億円だったとして、地震保険に5000万円を掛けていた場合その5%なので250万円です。半損の場合は20%〜50%の損害で、50%の2500万円が出ます。50%以上の損害で全損扱いとなり、5000万円全額が出ます。

 

一部損というのはどのくらいかというと、基礎に3箇所、壁に3箇所ヒビが入って一部損と認められた例があります。1500万円くらいの戸建ての場合、750万円の5%なので37万5000円です。もし直すのに50万円かかったとしても37万円しか出ません。これがもし、建物の外部から車がぶつかったのであれば被害額の50万円が火災保険から出るのですが‥。

 

また地震で窓ガラスが5枚割れて、その修理費に50万円かかったとします。これも原因がいたずらや窃盗目的であれば建物の外部からの飛来・衝突、あるいは盗難ということで、火災保険から50万円が受け取れますが、原因が地震の場合は保険金は1円たりともでません。

 

なぜかと言いますと、窓ガラスは建物の主要構造部分の損害ではないからです。主要構造部分とは土台、柱、壁、屋根、簗などのことで、窓ガラスだけ壊れても損害割合にならないのです。

保険料は事業を継続するための必要経費!

以上のように、地震保険は中々分かりにくくて、だからこそネガティブなイメージを持たれているのだと思います。でも繰り返しになりますが、地震保険は不動産賃貸経営のリスクヘッジとしてとても有効な手段だと思います。地震が起きて建物が倒壊し、入居希望者に貸せない状態になるとその間の収入が途絶えるということにもなりますよね。

 

そもそも災害後の生活のためにある保険ですが、不動産賃貸経営にとっては事業を継続していくためにも使えるというものです。そのために支払う保険料は経費として申告できますし、事業活動を継続するための必要経費と考えましょう。

会社員Aさん
経営者ならば、あらゆるリスクを考えて地震保険にも入っておいたほうが良いということだね!

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2017年1月に地震保険が改定されるとどうなるの?

地震保険が2017年1月に改定されます。その結果、まず保険料が値上がりします。(安くなるところも一部あります)今まで東京、神奈川、静岡だった料金区分に千葉も入ってきたほか、津波リスクが高いために高知県もかなり値上がりします。地震の頻度のみではなく家が密集している地域も保険料は高くなります。

 

これは地震が原因の火事があるからで、密集している地域だと燃え広がりやすいというわけです。北海道はよく地震がある割に安いのは家があまり密集していないからなのです。また大きいところでは、今まで一部損、半損、全損の3区分だったのが、一部損、小半損、大半損、全損という4区分になります。

 

今まで主要構造部の20%〜50%の損害で「半損」とひとくくりにしていたところを、20〜40%の損害で「小半損」、40〜50%の損害で「大半損」と小刻みになります。小半損は保険金額の30%、大半損は保険金額の60%が出ます。より少ない損害は補償が小さく大きい損害はより補償も大きくなります。

  • 損害区分と保険金支払い割合
現行 保険金支払い割合
全損 100%
半損 50%
一部損 5%

 

改定後 保険金支払い割合
全損 100%
大半損 60%
小半損 30%
一部損 5%



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