不動産経営においてキャッシュフローを良くする3つのポイントとは

キャッシュフローの公式は前記事でご説明しましたので、次は”いかにキャッシュフローを良くするか”を考えて見ましょう。キャッシュフローの公式をまだチェックしていない方は以下記事参照です。

つまり「税引き後の利益ー返済元金+減価償却費」の結果、残るものを最大にするということです。したがってキャッシュフローを良くするための3つのポイントは以下のものです。

  1. 所得税・法人税の納税額を抑える
  2. 減価償却費を多く取る
  3. 返済元金を少なくする

それぞれ1つずつ見ていきましょう。

不動産経営においてキャッシュフローを良くする3つのポイントとは

⒈所得税・法人税の納税額を抑える

これついては個人で収入の多い方は法人の活用を検討すべきです。具体的には、管理会社として法人を設立して、そこに家賃収入の一部を管理費(Ex.15%)として取らせて、節税を図っていくという方法です。さらに新たに物件を取得する場合には法人で取得した方が良いということになります。

 

この点を考えると、同じ物件を買うにしても年収によって税率が異なるため、キャッシュフローが変わっていきます。「累進課税」といって、所得が多ければ多いほど税率は上がりますよね。例えば、課税所得が1800万円を超える方は、所得税と住民税を足して50%もの高い税率がかかります。

 

そういう方が、年に300万円の不動産所得を得た場合は、やはり300万円のうち半分が税金で持っていかれてしまうことになります。一方で課税所得500万円の方が、同じように年に300万円の不動産所得を得た場合は、300万円の3分の1(33%)の税金しかかかりません。

 

つまり、不動産所得の300万円は同じでも、課税所得が1800万円の方は税率が50%のため、500万円の方よりも約1.5倍の税金がかかるというわけです。ですから年収が高い方は、税金で支払う額が多くなるので良く注意しましょうということと、できれば法人を作ることをオススメします。

 

法人だと最高税率が約34%ですし、家族に給料を支払うことで所得の分散が図れますから、個人で持っているよりもお得なケースが多いのです。

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⒉減価償却費を多く取る

不動産経営においてキャッシュフローを良くする3つのポイントとは

減価償却費をいかに多く取るか。これも意外と重要視する方は少ないのですが、とても大事なポイントです。なぜなら実際には毎月払っているわけでもないのに経費として認められるお金なのでうまく経営戦略に組み込むことができるからです。

 

また銀行も確定申告書や決算書を見るときに注意するポイントの1つです。以下、この減価償却費について詳しく説明しますね。

  • 中古物件の耐用年数の計算(法定耐用年数が経過前の物件の場合)

《(法定耐用年数)−(経過年数)》+(経過年数)×0.2%

例)耐用年数22年の木造建物を築16年後に買った場合、

(22年−16年)+16年×0.2=9.2年

▶︎9年が耐用年数

法定耐用年数を経過した物件の場合

《法定耐用年数》×0.2

※端数切り捨て ※最短2年

 

減価償却とは「建物の代金を耐用年数で割った金額をその経費として計上する制度」のことです。建物は、構造・用途によって「法定耐用年数」というものが決められていて新築の居住用建物の場合、木造で22年、鉄骨造は34年、RC造では47年です。

 

中古物件の耐用年数の計算は下の図の通りです。

構造 法定耐用年数 価格 利回り 銀行融資の受けやすさ
木造 △22年
重量鉄骨造 ◯34年
RC(鉄筋コンクリート)造 ◎47年

 

法定耐用年数を過ぎている物件の償却期間は、法定耐用年数に0.2を掛けて計算します。木造で築22年が過ぎた物件を購入した場合は「22×0.2=4.4」で、つまり建物の代金を約4年間で償却できるということになります。耐用年数を過ぎた木造物件を所有している場合であっても、減価償却費が取れることで、そのキャッシュフローはかなり優秀になります。

 

一方で、RC造の場合は、新築の償却期間は47年ですので、薄まってしまい1年あたりの減価償却費の点で見るとあまり旨味がありません。しかし、木造物件はキャッシュフローで見るとお得ですが、耐用年数が短いため中古の物件だと銀行の融資が受けづらかったり、融資期間が短くなったりするというデメリットがあります。

会社員Aさん
木造物件はその分頭金が多く必要になってしまうというわけだね!

 

ローンにあまり頼らずに頭金を多く用意したりキャッシュで買ってしまえたりする方であれば、減価償却費を多くとれるような物件を購入していくという戦略も考えられます。

銀行からの借り入れを多くすべきか?

不動産経営においてキャッシュフローを良くする3つのポイントとは

ここで最後の3つ目のポイントにいく前に、余談になってしまうのですが、銀行からの借り入れ額を多くするかどうかは、キャッシュフロー以外にもその人の戦略として安定性をどれだけ追い求めるかどうかにもよります。

 

頭金を多く入れれば毎月の返済が少なくなるので、キャッシュフローがマイナスになるリスクは少ないわけです。また、資金不足になったら銀行がお金を貸してくれるかというと必ずしもそうではありません。銀行もこうした後ろ向きの融資には消極的です。

 

一般に借りられるのは、物件購入時、建物を建てる時、改装する時です。ですから、借りられる時には多めに借りておいてキャッシュを別に置いておくというのも将来に対する一つのリスク分散です。

会社員Aさん
借りられる時にお金を借りておくのも大事だね!

さて、木造の物件は一般的に銀行の評価が低くて融資が受けづらいのですが、キャッシュフローの面ではオイシイというわけです。逆にRC造の物件は毎年の減価償却が木造と比べると取りにくく、キャッシュフローの旨味はありませんが、銀行の評価は高くて融資が受けやすい。こうした特性を把握した上で、自分の不動産の経営戦略にうまく組み込んでいくことが非常に重要なのです。

 

新築の場合にもこのバランスをよく考えると良いでしょう。なんでもRC造が良い、というものでもないのです。木造は、建築コストが安くて、減価償却が取れてキャッシュフローが良い。でも銀行の評価が低く、居住用年数の22年を超える借り入れ期間を設定するのは一般的に難しくなります(ただし、新築の場合などは耐用年数の22年を超えて、例えば30年で融資を受けられるケースもあります)

 

一方、RC造は銀行の評価が高くて25年とか30年といった長期の借り入れ期間を設定しやすくなります。また木造より家賃も高く取れます。ただ、建築コストは割高に、減価償却費は取りにくくなります。以上のようなことを踏まえて、建築時の構造を決める必要があります。

 

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⒊返済元金を少なくする

返済期間も毎年のキャッシュフローに影響を与える要因です。例えば銀行から1億円借りたとします。返済を元金均等方式として、借り入れ期間を15年とすると、年間の返済元金は666万円(1億÷15年)、これを20年にすると年間の返済元金は500万円(1億÷20年)となり、返済期間を長くすれば、その分、毎年のキャッシュフローが良くなります。

 

また借り入れ方法も元利均等と元金均等とで差が出てきます。元利均等は当初は「元金の返済額が少ない=キャッシュフローが良い」のですが、あとあと「返済元金が増える=キャッシュフローが悪い」ということになります。

会社員Aさん
キャッシュフローを良くするポイントは「納税額」「減価償却費」「返済元金」だね!



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