本の価格はどのように決まる!?出版業界の流通の仕組みとは

 今回は「本の価格はどのようにして決められているのか」という知られざる出版業界の仕組みについて解説していきます。

 

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本の価格の決め方とその仕組みとは!?

本の価格はどのように決まる!?出版業界の流通の仕組みとは

本は定価の55%前後が原価になる!

本の定価は全国各地どこでも一律の価格です。これは出版社が書籍や雑誌の定価を決定し、小売書店等で定価販売ができる「再販売価格維持制度」のためです。

再販売価格維持とは、ある商品の生産者または供給者が卸・小売業者に対し商品の販売価格を指示し、それを遵守させる行為である。再販売価格維持行為(再販行為)、再販売価格の拘束とも呼ぶ。

要はメーカーが小売業者に対し商品の小売価格の値段変更を許さずに定価で販売させることをいう。

再販売価格維持は、流通段階での自由で公正な競争を阻害し、需要と供給の原則に基づく正常な価格形成を妨げて消費者利益を損なうため、資本主義経済を取る国の多くでは、独占禁止法上原則違法とされている。但し例外的に一部商品については一定の要件の元に再販行為を容認している場合があり、それを再販制度と通称する。

引用 Wikipedia

 

上記されているように、こうした定価の維持は「独占禁止法」で禁止されているのですが、書籍、雑誌に関しては実は認められているのです。

 

それでは、出版社はどのように本の価格を決めているのでしょうか?

 

まずは、内容の精査です。実際に本を製作する前に「この企画や作家ならば、この値段どのくらいの部数売れるだろう」と、社内で前もって話合って、発行高(定価×発行部数)を決めます。

 

そして、その発行高に応じて原価を確定させます。

 

原価には、「直接原価」(印刷代、製本代、取材費、デザイン費、印税など)と、「間接原価」(宣伝費、出版社の人件費等)があり、それらは発行高の55%前後となるのが一般的なのです。

 

例えば、定価1000円の本を1万部発行するとして、発行高は1000万円ということになり、原価の予算は550万円ということになります。この原価を抑えることができれば、出版社としての利益はもちろん増えることになりますので、安い用紙を使用したり、取材費や印税の値下げ交渉をするというケースも多々あるのです。

 

しかし、そのようなことをしてしまうと、本の見栄えはもちろん原稿の内容などの本の売れる要素というものが減ってしまうことになりますので、極端なコスト削減は難しいというのが現実なのです。

 

そして完成した本は「取次」へ定価の65%前後(650円)で卸します。この取次とは、書籍や雑誌を全国の書店に流通させる会社のことであり、取次への卸価格を「正味」といます。

 

まあここら辺は少し難しい専門用語なので覚える必要はないですが‥

取次は10%前後の利益を乗せて書店に卸しますので、定価のおよそ75%(750円)が卸価格となります。その本を書店は、定価の1000円で売りますので書店の利益は25%の(250円)という計算になるのです。

 

ちなみに、本の価格表示が「本体価格+税」となっているのは、本の場合何年も店頭で売られる可能性があり、消費税の税率が変わるたびに刷り直しをしなくても対応ができるようにしているからなのです。

 

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出版業界独自の返品制度とは!?

本の価格はどのように決まる!?出版業界の流通の仕組みとは

上記した「再販売価格維持制度」の他に本の流通にはもう一つ特徴的な制度があるのです。それは「委託販売制(新刊委託)」と呼ばれるもので、簡潔にいうと「本は返品可能ですよ!」ということです。

 

取次が本を出版社から預かり、書店の店頭で販売を委託するという形式になるため、書店のほうでは一定の期間内であれば、売れ残った書籍を自由に返品できるのです。

 

この制度は、「需要の少ない高価な専門書でも書店で取り扱ってもらえる」というメリットの反面、返品に膨大な流通コストや保管コストがかかってしまうというデメリットも持ち合わせています。

 

返品率の増加は出版社の経営を圧迫せざるを得ないため、出版業界では問題になっているのです。



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